ソウルで逢えたら【読書】


著者:松岡圭祐

お勧め度69%
読み易さ76%

【千里眼】で有名な松岡さんの作品です。千里眼以外にも松岡さんの作品はたくさん読ませていただいたので、この本も、スリルとサスペンスに満ちた作品かと思いましたが、違いました。むしろシンデレラ物語・・とまで言いませんが、まあ近い感じです。登場する主人公も、今まで読んできた松岡さんの主人公(例えば岬とか)たちに比べると、優柔不断でお人好しで夢ばかりみてる明恵に、最初はイライラしてしまいました。

ところがこの明恵、どうも変な所で自分を強くだす癖があるらしく、そのタイミングがとっても痛い。800万の借金を返すため、韓国に行ってしまうのもどうかと思う。まあ結果、それが彼女を大きく成長させるきっかけにはなるのですが、普通、その日食べる食事にも事欠く人が、わざわざ韓国語教室に通って、韓国に行くかな〜?まあ、この辺は『小説の世界』という事で多めにみましょうか。

さて、韓国についた明恵はいわゆる、カルチャーショックに出会います。例えば韓国では電車が混んできたら、座っている人が立っている人の荷物を持ってあげるとか、タクシーのドアは自分で閉めるとか。明恵にとっては初めての事だらけでビックリ仰天。言葉もなかなか通じず(分からず)、落ち込む良子。それでも何とか韓国で仕事をみつけ、手探りながら韓国での生活がスタートしました。

彼女が韓国でどんな仕事をしたか、というのは、ここで書いてしまうとネタばれになってしまうのでやめておきますね。ただ、この韓国での仕事が、彼女に大きな自信を与えたのは確かです。確かに環境が変わっただけで中身が変わってしまう事はあり得ませんが、明恵の場合は、不本意ながら一旦引き受けた仕事を真剣にこなしていった結果、変わることが出来たんじゃないかな〜?と思います。

最後に本文から一番気に入った文面を移しておきます。

以下本文より引用

ひとつの時代が終わって、また新しい時代が動きだす。わたしの成長はたしかに遅かったかもしれない。でも、かろうじて間に合った。それが明恵にとって、数少ない慰みのひとつだった。わたしは生まれ変わった。未来に足を踏み出せる、そのかすかな自身を胸の奥にやどらせることができた。

私も人が成長するのに『遅い』という事はないと思っています。
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シートン探偵動物記【読書】


著者:柳宏司

お勧め度85%
読み易さ80%

実は知らなかったのですが、シートン動物記という実在の書物があって、この物語はその本の著者をモデルにして書かれています。もっとも、この原本を読んだことがないので、実際にどのような人物がこのシートン動物記の著者なのか、私には知る由もないのですが、このシートン探偵物語を読む限り、外国番、むつごろうさんって感じ。

さて、物語の内容ですが、主人公はシートン氏、というより、新聞記者の方のようです。というのも、読み終わって気が付いたのですが、この新聞記者の目線から物語が描かれており、新聞記者の名前は「私」という言葉で伏せられてしまっていたからです。しかも、シートン氏も彼の事を名前で呼ぶことはなく、細い目でいたずらっぽい笑みを浮かべて見つめているだけなんですから。

前置きが長くなりましたが、2人の最初の出会いは遠い昔、新聞記者がまだ小さかった頃にシートン氏の動物記を読んでいた、愛読家だった事から始まります。しかもただの愛読家ではなく、シートン氏の本を、何度も何度も読み返し、シートン氏が本当に感じてほしかった深い所に気が付いた数少ない少年だったのです。

その少年が大きくなり、偶然にも小さい頃愛読していた本の著者のインタビューを受け持つことになり、シートン氏との対談によって、昔シートン氏と動物たちが繰り広げたミステリーの物語が始まったのです。

『カランポーの悪魔』
狼のお話。狼の側に立ったら、確かにオオカミは生きるため、家族を飢えから守るために狩りをしてるだけなんですよね。そして最後のどんでん返し。牛を百頭殺したって言うのも、オオカミじゃなくて、人間の仕業な気がします。

『銀の星』
カラスのお話。カラスは本当に頭いいよね。物語とは関係ないけど、私は一度本物のカラスの『イジメ?』を見た事あります。道の真ん中で、大きな黒い塊があって、私は車で走っていたんだけど、なんだろう?と思って減速してその黒い塊に近付いていったら、車の気配を感じた3羽くらいの黒いカラスが飛び立っていきました。そしてあとに残されたのが1羽のカラス。別段怪我をした様子もなく飛び去って行きましたが、あれだけの人数(?)羽数(?)で囲んでいたのですから、やはり井戸端会議だったとは考えにくく、ルール違反をした仲間に、しつけをしていたとしか考えられないんですよね。あんな恐ろしい姿をしてるけど、実は中身は東大の医学生並み?

『森の旗』
リスのお話。このエピソードには物語とは関係ない話しで、老婦人をある若者が無言で何度も泥の中に突き飛ばす、という事件の話しが出てくるのですが、実はその話が、私はこの本の中で一番印象に残ったのです。

というのも、おそらく著者もこれが一番言いたいのかな?と思ったからです。それは1つの出来事を片方からだけ見るな、という事です。この、老婦人をある若者が無言で何度も泥の中に突き飛ばすという事件も、それだけを見れば(あるいは聞けば)、この若者が理由もなく、老婦人をいたぶって面白がってるように聞こえるかもしれませんが、もし、老婦人を突き飛ばす、何か理由があったとしたら?やはりあらゆる出来事を柔軟に判断するには動物並みの臨機応変さが必要な気がします。

『牛小屋密室とナマズのジョー』
シートン氏は小さい時から観察力が凄かった、お話。

『ロイヤル・アナロスタン失踪事件』
愛おしい、ネコのお話し。ネコの漢字は『猫』と書きますが、私はこの漢字が許せません。だってあなた、獣ですよ、ケモノ編。ねこの、どこがどのようにケモノだって、おっしゃるんですか?あの、高貴ななき声。人の心を掴んで離さない仕草、その癖、獲物を追う時の美しい筋肉の動き。昼寝をするときの寝顔。魚の匂いを嗅ぎつけた時のキラキラ輝く瞳。どこをどうとったら『ケモノ』なんて言えるんでしょ!おや?アダムス夫人、あなたもそうお思いになりますこと?そうですわよね〜おほほほ。

『三人の秘書官』
人の本性が見えた時ほど悲しいものはありませんね。

『熊王ジャック』
熊も時には四足ではなく二本足で立ち、前足を器用に使うところを見ると、人間やサルに続く頭のよい動物の1人(?)なのかもしれませんね。

最後に『森の旗』の中に出てきた、一番好きな文章を引用します。以下本文より。

「ねえ、あなた。想像してもごらんなさい。このアメリカ(地球)では、およそ木の実がなる森の木は、事実上、すべてハイイロリスかその仲間たちによって植えられたものなのです。かれらは木の実を地面を掘って蓄える。その九十五パーセントはかれら自身のものですが、残りの五パーセントの木の実はリスたちが食べることなくそのまま放置され、それらはやがて芽を吹き、森に育っていくのです。もしリスたちが木の実を地面に埋めなければ、森は育ちません。かれらがいなければ、アメリカ(地球上)に森は存在しないのです。あのちっぽけなリスたちが、この広大なアメリカ(地球)のすべての森を作っているというのは、なんとも痛快な話じゃありませんか」―シートン氏談
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ボーナス・トラック【読書】


著者:越谷オサム

お勧め度87%あげ
読み易さ88%あげ

すごーく面白かったです。図書館で借りて、読んだ後すっきり。しばらくして、また読みたくなって図書館に借りに行ったのですが、題名をうっかり失念してしまって参りました。図書館って、返した瞬間に、誰が借りたのか分からなくなるんですって。どうも『プライバシーの侵害』とやらを守るためにそういった仕組みになってるらしいのですが、お陰で、自分がどんな本を借りたのか調べてもらえず、ネットでキーワードを入れてあちこちで調べてもなかなか見つからず、困っていたらツイッターのフォロワーさんが見付けてくれて、とっても嬉しかったです。

こうして無事積読も出来たこの物語ですが、2回目に読んだ時は結果をしってるだけ、最初の時より切なかったな〜。内容はあんまり書くとネタばれになるから書けないけど、亮太はひき逃げで死んでしまって、たまたま波長があった草野と共にひき逃げ犯をみつける物語。

途中、いろいろ助っ人も出てくるんだ。南浩人とか、愛ちゃん。首コキコキも印象的〜☆こんな若者を見てると、日本もまだまだ捨てたもんじゃないねって思っちゃう。そして事故(事件)現場となった細い道。目撃者となった草野は、事故のあった道で後ろの車にどれだけあおられても、もう道を譲ることはしなくなったんだよね。隣に亮太が座ってるから、それがまた切ない。

それでも横井亮太ほど、幽霊が似あわない人はいないね。ご飯食べて、テレビゲームして、オマケに大いびきかいて寝ちゃうんだから。そんな彼だったから、物語が暗くならず、終始明るいままで終わったんですけどね。

読み終わって、また読みたくなりました。
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宇宙戦艦ヤマト〜実写版【試写会】


総評:★★★★☆++

SPACE BATTLESHIP ヤマト公式サイト

監督:山崎 貫

主なキャスト
古代 進(木村拓哉)
森 雪(黒木メイサ)
沖田艦長(山崎 努)
徳川機関長(西田敏行)
佐渡先生(高島礼子)

主要人物のキャスティングは以上ですが、他にも柳葉敏郎や池内博之など、実力派揃いのキャストに加え、そのキャラクターを見て、アニメが頭の中に浮かび上がるという新鮮な感情を抱きました。特に西田敏行さんが演じた徳川機関長と高島礼子さんが演じた佐渡先生。ヤマトと言う地球の希望を乗せた船の中で、この2人が作りだす雰囲気というものは欠かせないと思いました。分かりやすい例えをだすとしたら、水戸黄門のうっかり八べい役のように、緊迫した中にどこかホッと出来る存在、そのように感じます。

ストーリーの方は今さら書くこともないと思いますが、概要を書くとすれば、地球はガミラス艦隊から執拗に攻撃を受け、もはや人類は滅びるのを待つばかり状況の中、唯一の希望がイスカンダルから届いた座標と設計図。宇宙戦艦ヤマトは、その座標を求めて飛び立つのであったが・・。映画のストーリー展開としては、ほぼアニメに忠実に作られてあり、1度でもヤマトを観たことある人ならば、懐かしいと思い出しながら観る事が出来ると思います。

ただ、やはり突っ込みどころも何箇所かあって、私が一番突っ込みたかったのは古代進と森雪の恋愛ストーリー。タイタニックの時も思ったけど、その短い時間の間に、そこまでの大恋愛ができるのかと突っ込みたい。まあ限られた時間なので、ある程度は諦めるにしても、子供まで出来てしまうのはどう考えても出来すぎ・・ですよね〜。

一番感動した場面はアナライザーが登場した場面と音楽。

アニメからの実写版だけに、アナライザーだけはアニメから抜け出してきた感覚があって特に懐かしかった。なかでもゼロ機から頭がピコッと見える瞬間と、それからイスカンダルで敵に囲まれた時にアナライザーが敵を一掃する場面。これにはちょっと鳥肌が立ちました。アナライザー、カッコイイ!!と思いました。アナライザーと徳川機関長、佐渡先生の絡みも見たかったな〜。

アニメもまた見たくなった。

最後に、全体的に2時間弱という短い時間の中によくまとめてあると思いましたが、デスラーファンとしてはデスラー総統がCGでしか登場しなかったのはちょっと残念。ただ、今回の実写版の終わり方が、地球ごと滅びようとしたガミラス戦隊に体当たりしたヤマトは、爆発したというより、スッとどこかに消えてしまった・・ようにも見える終わり方でしたので、もしかしたら兇鮑遒詬縦蠅任呂覆い里と・・もし、そうなったら、今度こそデスラー総統が登場するかも・・と、期待しております。



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ダレン・シャン【映画】


総評:★★★★★+
ダレンシャン公式サイト>>

監督:ポール・ワイツ

主なキャスト
ダレン・シャン(クリス・マッソグリア)
ラーテン・クレスプリー(ジョン・C・ライリー)
スティーブ(ジョシュ・ハッチャーソン)
ミスター・トール(渡辺謙)

夢にまでみたダレンの映画。もちろん公開初日に鑑賞しました。率直な感想は『展開が速すぎる』です。でもこれは長い小説を映像の中で見せるためには、ある程度仕方ないことなのですが・・スティーブがしょっぱなからミスター・タイニーの手に落ちることを見せてしまった事にはちょっとガッカリ。小説ではかなり後半にならないと暴露されない事実でしたからね。逆にいえばスピーディーで、観客を退屈させない作りにはなっていたと思います。

シルク・ド・フリークの演出は見事!でした。本来はシルク・ド・フリークというのは、障害をもった人間を捕まえて、奴隷のようにして働かせる見世物のサーカス、という意味なのですが、このダレン・シャンに登場するシルク・ド・フリークは、まったく違います。サーカスに参加している人たちは、みんな生き生きと芸をこなしています。

そしてヘビ少年のガブラとは真の親友となります。ところでガブラの鱗が徐々に濃いくなっていったことに何人の方が気づかれたでしょうか?恐らく原作を読まれてる方は気付かれたと思うのですが、映画の終わりに完全に脱皮するのかなぁ、思っていましたが残念ながら今作では脱皮しませんでした。次のお楽しみ、ということなのでしょうか。

それから人間の時の親友・・だったはずのスティーブ(本名はレパード)ですが、しょっぱなから、かなり悪役になってますね。特にマダム・オクタに噛まれる原因となったのは、ダレンと言うより、むしろスティーブにあったように描かれていましたが、原作では学校ではなく、ダレンの家で、ダレンがスティーブに見せびらかす為にマダム・オクタを出したために噛まれてしまうのです。この演出が変更されたのは、おそらくスティーブをより悪役らしく、ダレンを優等生に見せるために作られたような気がします。

その方が話の展開が分かりやすいですものね。他のストーリー展開はほぼ原作と変わっていなかったと思います。一番気になるのは、最後の結末が変更されているかどうか、ということですが今回リトル・ピープルの中に意味ありげに右足を引きずっているリトル・ピープルがいたので、おそらく変更はないのでしょう。彼が・・あのリトル・ピープルが・・と思うと胸が痛みます。

あ、最後に忘れてならないのが我らが渡辺謙さんが、ミスター・トールを演じられたことですね。ミスター・トールはシルク・ド・フリークのオーナーなのですが、謙さんがいい味を出されてましたね。それから今回は吹き替え版しかなかったので吹き替えを見ましたが、今度はぜひ字幕スーパーを見たいものです。やはり字幕の方が迫力があると思いますからね。こちらも楽しみです。吹き替え版で楽しみにしていたくぅちゃんの曲・・もっと聴きたかったな。

スリルな映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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風が強く吹いている【読書】


著者:三浦しをん

お勧め度80%あげ
読み易さ79%

走(かける)は、その名の通り走るためだけに生まれてきたような少年。その日もコンビニから盗んだパンを持って走っていた。その姿は美しく、無駄がない。颯爽と風をきる音さえ魅了してしまう。そんな走(かける)を見た清瀬は、通りすがりの人に自転車を借りて後追いかけていき、走(かける)にこう尋ねるのでした。

走るの好きか?と。

これが走と清瀬の出会い。これがきっかけで竹青荘(アオタケ荘)の住民を巻き込んだ大騒動が始まるのでした。たった10人で箱根駅伝の予選に参加する、これがどれほど無謀なことなのか、この物語を読み進むうちに分かってくるのですが、一番の理由は補欠がまったくいない状態で挑戦する、と言うことでした。

私も今回、この本を読んで初めて知ったのですが、箱根駅伝というのは、まずあらかじめ決められた(たしか14〜16人だったと思う。間違っていたらごめんなさい)人数を提出し、最終的には実際出場する選手を10人決めるのですが、あらかじめどこのコースを誰が走るのか指定しておかなければなりません。そして一度決めた(提出した)選手のコースは変えられないのです。

この時、人数に余裕があれば(補欠がいれば)試合当日の最終決定で選手の交代を申請することが出来ますし、逆に本当のエースを補欠にしておいて、他の大学の作戦を見極めてエースをどこで走らせるか決める、という作戦も取ることが出来ます。ところが、人数がぴったり10人だと、そういう事が出来ないのです。

そんなややこしい難しいルールの事など知らず、最初は渋っていた竹青荘の面々も、面白半分、興味津々で清瀬の夢に参加することにしたのでした。こうして清瀬の元、走、ジョータとジョージ、キング、神童、ムサ、ニコちゃん、ユキ、王子のユニークな面々のユニークな、しかし厳しい練習生活が始まるのでした。

そしてこの物語はマラソンの練習もさることながら、そのユニークな住民たちの変人、生活ぶりにも注目してほしいと思います。

例えばニコちゃん。彼はニコチンのニコちゃんと呼ばれる程のヘビースモーカーだったのに、マラソンに挑戦することになってから禁煙をします。そしてタバコを吸えないイライラから針金で不気味な人形を何個も作り続けるという変人ぶりを見せ付けていますし、三度の飯より漫画が好きな王子は、甘いマスクを生かすことなく、二次元の女の子にしか興味がないという変人ぶり。

他にもユニークな住人がたくさん・・それぞれの生きざまや、マラソンを走っている時の様子などを楽しんでもらいたいと思います。読み易さを79%にしたのは、走ることに対する専門的な言葉が出てくるからです。インターバルやダッシュなどがそれにあたりますが、もともとスポーツされる方ならなじみのある言葉ですので読みやすいと思います。そうじゃない方も、読みにくい、と言うほどではないので、是非読んでみてほしいと思います。

ランナーが普段、どんな思いで走っているのかよく表現してあり、読み終わってから来年は箱根駅伝を見る目が変わるだろう思いました。それにしても六道大の藤岡はすごい!!スポーツマンの鏡であり、彼のような人物こそ、本当のアスリートと言えるのでしょう。清瀬も藤岡のように風を極めることが出来たはずなのに、悲しい事に体がそれを許さなかった。しかし代わりに清瀬には人を見る力というものを神さまが与えていたのでした。物語が終わった後も清瀬のもと、沢山の若者たちがその才能を開花していくのかと想うと、思わず微笑んでしまう、そんな1冊です。
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海の底【読書】


著者:有川浩

お勧め度84%
読み易さ80%

またまた有川さんがやってくれました!!

この物語は有川さんの作品の中ではちょっとエグいと言いますか、同じ自衛隊シリーズの【塩の町】と【空の中から】を読んだ後だけあって、今度は海からどんな生き物が登場するのだろう・・とワクワクしていたぶん、衝撃が強かったのかもしれません。最初の方はちょっと吐き気さえしてしまいました。なんといっても海から出てきたものは何とも言えない、グロテクスな、恐ろしい生き物だったからです。そして数が物凄い。どんどん海からあふれて来る。

逃げ惑う人間たち。人は、ただのエサにしか過ぎなかった!!なんとか防衛線をはった人間たちですが、海から出てきた生物は、『美味しそうな』人間を求め、一向に海に帰ろうとする気配がありません。やがて『サガミ・レガリス』と名づけられたその生物の本当の正体は?人間たちはこの戦いに勝つことが出来るのでしょうか?鳥丸参謀官は自衛隊を出動させるため、危険な賭けにでます。とは言っても本人はまったく危険とは思ってなかったようですが。

本作品では、日本の法律の仕組みも書かれているのですが、いくら自衛隊の方が警察隊より攻撃力があるとはいえ、勝手に出動して武器を使う訳に行きません。手をこまねいている間にも、犠牲者がどんどん増えていったと言うのに・・。実際に、このような事が起こったら日本はどうなってしまうのでしょう?塩の町や空の中からより、【海の底】は日本が島国だけにゾッとしてしまいました。

そして最後、あっけない終わり方に有川さんにしては淡白だな〜思っていたら、最後の10行でゾクゾクして鳥肌がたちました!!最後の最後にやはりやってくれました!!

そうきたかーーー!!と唸り声。

この、最後の10行のために読む価値はあると思います。

★この物語の主な登場人物★

夏木:言葉が荒いが根は優しい海上自衛官。

冬原:夏木共々海上自衛隊の問題児。

望:潜水艦に閉じ込められた子供の一人。唯一の女の子。

翔:望の弟。

圭介:自分では気がついてないが望のことが好き。
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タンポポの雪が降ってた【読書】


著者:香納諒一

お勧め度65%
読み易さ60%

文章は読み易かったのだけど、内容が暗くて読み進むのがおっくうになりました。『海を撃つ日』、『歳月』、『不良の樹』は親子愛について語った物語。タイトルと同名の『タンポポの雪が降ってた』は前にも読んだことあるような気がする。けっきょく妙子は幸せだったのかな?いや、幸せだったんだと思う。そうでないと。

『世界は冬に終わる』、『ジンバラン・カフェ』は孤独な女性を描いている。特に『ジンバラン・カフェ』は、え?その終わり方???と思いました。うーん。何が言いたいのだろう?暗いまま終わってしまいました。だけど人はけっきょくみんな、この中の物語のように、いろんな柵(しがらみ)の中人生を送っているのでしょうか?

それでも、その中で自分の幸せを見つけようと、手探りでみんな必死に生きているんだろうね、私も含めて。この本は、そんな周りの人の人生を垣間見せてくれたのかもしれないですね。

ほら、苦しいのは自分だけじゃないだろ?と。

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神去(かむさり)なあなあ日常【読書】


著者:三浦しをん

お勧め度75%あげ
読み易さ65%

『神去村(かむさりむら)』というのは、神隠しでさえ日常的に(?)おきる、江戸時代から忘れ去られたような、だけど携帯の電波はバッチリ通じる村。ここ住む住民は何事においても「なあなあ」と言うのが口癖。その村に勇気は親の陰謀で山師として修行するはめに。勇気は名前だけは勇ましいのだけど、なにせ横浜生まれの現代っ子。いきなり木に登って木から木へ渡り歩く芸当など出来るわけもなく、最初のうちは「せっかく育てた木を切るなんて可哀そう」。などと言う始末。そんな勇気に一から山師の仕事を教えるのが『ヨキ』こと飯田与喜。一から教えると言っても、ヨキはもっぱら勇気を置いて一人で仕事をして『見て覚えろ』タイプ。

そんな置いてけぼりの勇気に分かりやすく仕事を説明してくれるのが、山の持ち主でもある『中村清一』。三郎じいさんも陰で勇気を見守ってくれる。ホームシックになる間もなく月日が流れるが、一度だけ勇気は『神去村脱出計画』を試みる。その時出会うのが『直紀』。勇気、18歳、恋の予感。果たして直紀は勇気の運命の人なのか?ヨキは勇気の恋を知り、勇気をはやし立てる。

慣れない環境、慣れない仕事を一つづつ覚えながら少年が青年へと成長していく過程を描いている。勇気はどこにでもいる都会っ子だけど、例えば『せっかく植えた木を切るのは可哀そう』とか、夏祭りに蒲焼にして『売るために捕まえた鰻』に腹が減らないか?とえさを与えたりする所が可愛らしい。物語としては春夏秋冬で分けて描かれていて、夏祭りと冬の行事が印象的。特に冬の祭りの最後のクライマックスは迫力満点!オオヤマヅミさまに見守られながら、勇気は山を駆け巡り、山師として村の人々に認められる。勇気、一歩大人になったね!

山師の仕事の説明をしている部分は慣れない言葉などが出てちょっと読みづらいかも。三浦しをんさんの作品では以前【まほろ駅前多田便利軒】を読んだことありますが、こちらの作風とはちょっと異なるかな?【まほろ駅前多田便利軒】では大人の迷路のような感じでしたが、こちらは主人公が18歳というだけあって、新鮮でフレッシュな感じでした。途中読みづらい部分(専用用語の部分)があるけど、最後まで読んでみてほしいと思います。

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白い巨塔2【読書】


著者:山崎豊子

お勧め度62%さげ

1巻だけを読んだ時点では、同著書の【女系家族】ほどドロドロではなかったので続けて読んでみましたが、1巻よりドロドロ度が増してしまいた。1巻では五郎が可哀そうだと、五郎に肩入れしていましたが、2巻になって失望してしまいました。そして五郎に目を覚まして欲しかった。5巻まですでに読んでしまったので言えることなのですが、この2巻の出来事が後々五郎の人生に大きく関わっていくだけに、なおその想いが強くなってしまいます。

『お医者さま』という特殊な団体の中で繰り広げられるばかしあい、牽制球、わいろの数々。ゴボゴボと笑う五郎の舅。すべてのお医者さまが大河内教授や里見助教授のような人ばかりなら問題ないのでしょうが、人間の野心は計り知れないもの。ある意味、野心や探究心というものが医学の向上にも大きく関わっていることを思うと、人間の野心が全くなくなるのも問題だと思います。要は、その野心をどこに向けるか、と言うことが肝心なんだと思う。そういう意味で、大河内教授や里見さんはその向上心を医学の発展だけに向ける素晴らしい医学者だと言えるでしょう。

対する五郎はどうか・・五郎も医学の世界に入った時は真っ直ぐに医学の向上だけに心が向いていただろうに、周りの環境が彼を変えてしまったと言えると思います。いわば、彼自身も白い巨塔と言う名の黒い波に呑まれた哀れなたましい・・そう思います。

例えば第一巻で、五郎の母が財前との養子縁組を五郎のことを想ってさっさと決めて『しまった』。事・・東教授がもっと真っ直ぐな気持ちで財前と向き合っていたら・・へたな小細工せずに素直に五郎に教授の座を任せていたら・・五郎自身がもっと強い心を持っていたら・・あらゆる理由が重なって五郎は白い巨塔の中の一番黒い部分へ押し流されてしまったのだと思います。

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