嫌われ松子の一生【読書】


著者:山田宗樹

総評:★★★★A

誤解、裏切り、陥れられて転落の人生を送った松子。何者かに激しい暴行を受けて死亡するまでの波乱な人生を描いたフィクション小説。松子はなぜ、ここまで悲惨な人生を送らなければならなかったのか考えてみました。もし妹の久美が健康体だったら松子は普通に幸せな人生を送ったのではないでしょうか?体が弱いと言うだけで父親の愛情を独り占めにしていた久美が松子は憎たらしかった。心の底では愛しているのに憎たらしかった。

ここに松子の捻れた愛情表現が生まれてしまった。

頭を撫でてほしい父親は久美の頭だけを撫でていた。だけどこの父親も、もちろん当たり前だけど松子も愛していた。親の希望通りに猛勉強して大学を出て学校の先生になった我が子が可愛くない訳がない。その証拠にこの父親は松子が家を飛び出してから毎日日記に「今日も松子は帰って来なかった」と書いています。彼も、娘が家を飛び出して毎日心配でたまらなかった。なのに、それを素直に伝えなかったばっかりに、父娘との間に大きな溝を作ったまま死に別れるという悲しい結末になったのです。

松子には何度も人生をやり直す機会があったのに出来なかったのは、やはりこのねじれた愛情があったからでしょう。

あと、松子の周りには何人もの男性が通りすぎていきますが、私が一番許せなかったのは徹也の友達(のふりをしていた)岡野健夫。自分のエゴだけの為に松子をもてあそんだその行為は強姦となんら変わらないと思いました。次に許せないのは小野寺、と書きたいところですが、彼の場合松子にも多少なりとも隙があったのではないかと思います。だいたい、トルコ嬢を遊び歩く男に「オレと組めば幸せにしてやる」なんて台詞を二つ返事で信じて通帳まで預ける事が私には信じられない。

小野寺だけでなく、松子はことごとく『本当に心配してくれている人』には耳を貸さず、自分が不幸になる方へ流れている傾向があったように思います。せっかく連絡先を教えてれた赤木さんやめぐみの名刺は破り捨て、さらに不幸の溝へ自らはまっていったと言えると思います。この小説の唯一の光は松子の過去を調べた松子の甥、笙(ショウ)と、その彼女、明日香の存在。どこまでも前向きな彼女が笙(ショウ)くんと共に松子の一生を知ることにより、人生どうしたら幸せになれるか、少しでもヒントにして生きていってくれればと思います。
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